総監修:東邦大学医療センター 佐倉病院 消化器内科
教授 松岡 克善 先生

クローン病とは

長期にわたり、小腸や大腸を始めとしたあらゆる消化管に原因不明の炎症が起き、びらん(粘膜のただれ)や潰瘍などができる病気を「クローン病」と言います。英語名の“Crohn’s Disease”の頭文字をとって“CD”とも呼ばれます。
また、クローン病と大腸に原因不明の炎症が起きる潰瘍性大腸炎の2つを合わせて、“炎症性腸疾患”または“IBD(Inflammatory Bowel Disease)”と呼びます。

病変部位

病変部位

あらゆる消化管に病変が起こる可能性があります

クローン病による病変は、あらゆる消化管に起こる可能性がありますが、多くは小腸や大腸にみられます。病変がある部位によって、「小腸型」、「小腸大腸型」、「大腸型」に分類されます。

小腸型

小腸型のイラスト

・小腸のみに病変がある

小腸大腸型

小腸大腸型のイラスト

・小腸と大腸に病変がある

大腸型

大腸型

・大腸のみに病変がある

ほかに、胃など他の消化管に病変がみられるなどの特殊型があります。

日本消化器病学会.: 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂. 2016

原因

原因

原因は不明ですが、免疫の異常により炎症が起こります

細菌やウイルスなどを体から排除する“免疫”に異常が起き、自分の消化管を攻撃してしまうことで炎症が起こります。免疫に異常が起きる原因は分かっていませんが、遺伝的素因(体質)、欧米型の食事、腸内細菌などが関与していると考えられています。

日本消化器病学会.: 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂. 2016

患者数

患者数

患者さんは年々増加

患者数は年々増加し続け、2016年度末時点で指定難病受給者証を交付されている患者さんは約4万人います。

クローン病医療受給者証交付件数の推移

発症は、10歳代~20歳代に多くみられます。男女比は、約2:1と男性に多くみられます。

クローン病の推定発症年齢

厚生労働省:衛生行政報告書例の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19a.html)
(2019年6月確認)

症状

症状

主に腹痛、下痢、体重減少、発熱がみられます

腹痛、下痢、体重減少、発熱などがみられます。また、肛門に異常がみられることがあります。

腹痛を感じている男性のイラスト

腹痛

下痢している女性のイラスト

下痢

体重計のイラスト

体重減少

腹痛を感じている女性のイラスト

発熱

腹痛を感じている女性のイラスト

肛門の異常

(痛み、膿が出る)

日本消化器病学会.: 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂. 2016

合併症

合併症

クローン病では消化管に様々な合併症が起こります

消化管に起こる合併症を「腸管合併症」と言います。また、クローン病の罹患期間が長くなると、大腸癌・小腸癌の発生リスクが高くなります。

主な腸管合併症

主な腸管合併症の図解主な腸管合併症の図解

消化管以外の臓器にも合併症が起こります

関節や皮膚、眼、口腔など消化管以外の臓器に起こる合併症を「腸管外合併症」と言います。

主な腸管外合併症

主な直腸管外合併症の図解

日本消化器病学会.: 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂. 2016

検査

検査

病状の把握ために定期的に行います

病状(重症度)や合併症を把握するために、血液検査、消化管造影検査、内視鏡検査などを定期的に行います。

注射器のイラスト

血液検査

炎症、貧血などを調べます。

検便のイラスト

消化管造影検査

造影剤を使用して、消化管の状態を調べます。

大腸内視鏡検査のイラスト

大腸内視鏡検査/
小腸内視鏡検査(バルーン内視鏡検査)

大腸や小腸の状態を調べます。

大腸内視鏡検査のイラスト

小腸カプセル内視鏡

超小型カメラの付いたカプセルを飲んで、小腸の状態を調べます。

日本消化器病学会.: 炎症性腸疾患(IBD)診療ガイドライン2016. 南江堂. 2016