イムランは、免疫調節薬というお薬の一種で、過剰に働いている免疫を抑える作用があります。多くの場合、ステロイドとの併用で使用されます。お薬の特徴をよく理解して、主治医の指示通り服用しましょう。疑問や不安がある場合は、抱え込まずに主治医や医療スタッフにお尋ねください。
下記に該当する場合は、このお薬を服用する前に医師または薬剤師に伝えてください。
以前にお薬を服用してアレルギーが出たことがある。
血液検査で、白血球数が3000/mm3以下である。
痛風、高尿酸血症のお薬「フェブキソスタット」または「トピロキソスタット」を服用している。
患者さんの状態によって飲む量やタイミングを調整することがありますので、医師の指示に従ってください。
・飲み忘れた場合は、気がついた時に1回分を服用してください。
ただし、次の飲む時間が近い場合は、忘れた分を飲まないで、次の飲む時間に1回分を飲んでください。
絶対に2回分を一度に飲まないでください。
・誤って多く飲んだ場合は、医師または薬剤師に相談してください。
・自分の判断で飲むのを止めたり、量を調節したりしないでください。
十分な効果が得られなかったり、副作用があらわれたりする恐れがあります。
主な副作用として下記のようなものがあります。
これらの症状、またこれら以外にも気になる症状がありましたら、医師または薬剤師に相談してください。
吐き気・嘔吐
発疹
発熱
関節痛
脱毛
骨髄機能*抑制
*骨髄機能:血液細胞(白血球・赤血球・血小板)を作る機能
その他、血管炎、腎機能障害、全身倦怠感などがあらわれることがあります。
まれに下記のような重い副作用があらわれることがあります。このような症状があらわれましたら服用をやめて、すぐに医師に連絡してください。
再生不良性貧血、汎血球減少などの血液障害:貧血症状、出血症状、発熱
ショック様症状:寒気、震え、立ちくらみ
肝機能障害、黄疸:全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる
間質性肺炎:発熱、から咳、呼吸困難
重度の下痢
進行性多巣性白質脳症:意識障害、麻痺症状、言語障害
骨髄機能の低下や肝機能の低下などを早期発見するために、飲み始めは原則として1~2週間に一度、その後も定期的に血液検査を行います。
監修:東北大学病院 消化器内科 助教 角田 洋一 先生
イムランを服用すると、一部の患者さんで副作用が起こることがあります。
この副作用の中でも特に日常生活に大きな影響を及ぼすと考えられる急激な白血球の減少と脱毛には、NUDT15という酵素が関係しています。
NUDT15の働きには個人差があり、日本人では、約100人に1人の確率でNUDT15が上手く働かないために、これらの副作用が起こるリスクの高い遺伝子型を保有していることが明らかになっています。
イムランの服用前に、NUDT15遺伝子を検査することにより、リスクの高い遺伝子型であるか否かを事前に判定することができます。
2019年11月に、自己免疫性肝炎の治療においてイムランの服用を行う可能性のある患者さんに対し、NUDT15遺伝子検査が保険適用となりました。
イムランの服用前に、NUDT15遺伝子検査を受けることを主治医と相談してください。
イムランは体内に入った後、薬効を示す物質に代謝され、効果を発揮します。(活性化)
NUDT15は、この活性化したイムランの一部を不活性化します。
NUDT15の働きが弱い患者さんでは、活性化したイムランをうまく不活性化することができません。
これにより、イムランの効果が強く出過ぎてしまい、副作用につながりやすくなります。