監修:福島県立医科大学医学部 消化器内科学講座
主任教授 大平弘正 先生

治療

現時点では、この病気を完治させることは難しいですが、適切な治療を続けることで、多くの患者さんで肝炎を改善し、病状の進行を抑えることができます。
治療法に疑問や不安があれば、抱え込まずに主治医や医療スタッフに質問しましょう。

治療法

治療法

次のようなお薬を使った治療を主に行います。

ステロイド

この病気の治療の中心的なお薬で、免疫機能を抑えたり、炎症を鎮めたりする効果があります。
一方で、さまざまな副作用があり、主なものとして骨粗鬆症(骨がもろくなる)、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、ムーンフェイス(満月のように顔が丸くなる)などがあります。
そのため、病状が安定した場合は、必要最低限の量までお薬を少しずつ減らしていきます。

アザチオプリン

免疫機能を抑えることで、病状を改善する効果があります。

ウルソデオキシコール酸

肝臓の細胞を守る効果があります。

薬のイラスト

病状が安定しても、原則的に治療を続けます

この病気を完治させることはできないため、病状が安定しても、お薬による治療を継続する必要があります。
一方で、長期間病状が安定している患者さんでは、お薬を中止できる場合があります。しかし、中止後に多くの患者さんが再燃する(再び肝炎が起きる)ため、定期的な検査を継続し、再燃がみられたらお薬による治療を再開します。

厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班.:
自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2016年). 2017年3月

治療効果の確認

治療効果の確認

AST(GOT)、ALT(GPT)が主な指標となります

肝細胞のダメージの程度が分かる「AST(GOT)、ALT(GPT)」という血液検査の数値が、病状・治療効果の指標となります。これらの検査値が、正常値内に維持することを目標に治療を行います。
その他に、γグロブリン(免疫グロブリン)、IgG、アルカリホスファターゼ(ALP)、γ-GTP、総ビリルビンなどの検査値も参考になります。
また、超音波(エコー)やCTなどによる画像検査の結果も病状把握の参考になります。

カルテと注射のイラスト

厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班.:
自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2016年). 2017年3月