自己免疫性肝炎は、本来ウイルスや細菌などの異物を攻撃して体を守るために働く免疫機能(自己免疫)に異常が起こり、慢性、進行性に肝障害が起こる病気です。英語名のAutoimmune Hepatitisを略して
免疫機能(自己免疫)に異常が起こり、肝臓を攻撃してしまうことにより発症します。免疫に異常が起きる原因は分かっていませんが、ウイルス感染やお薬の服用等がきっかけとなり発症する場合もあります。
厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班.:
自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2016年). 2017年3月
日本には、約3万人の患者さんがいると推定されています。
女性に多くみられ、50~60歳代で診断されることが多いですが、子どもや高齢者でも発症がみられます。
だるい、疲れやすい、食欲がない 、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)などの症状があらわれます。一方で、症状がなく健康診断などで肝臓に異常が見つかり、診断に至ることも多いです。病状が進むと、足のむくみ、お腹の張り(お腹に水が溜まる)などの症状があらわれます。また、免疫異常に関連するほかの病気を併発することがあります。
治療を受けなかった場合、肝硬変(本来柔らかい肝臓が硬くなり、機能が低下した状態)、肝不全(肝臓の機能がほぼ失われた状態)に進行し、最終的には生命にも影響を与えることもあります。
厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班.:
自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン(2016年). 2017年3月