静注用キシロカイン2%


添付文書

作成又は改訂年月

**2017年7月改訂(第14版)

*2015年1月改訂

日本標準商品分類番号

872129

日本標準商品分類番号等

再評価結果公表年月(最新)
1975年10月

薬効分類名

抗不整脈剤

承認等

販売名

静注用キシロカイン2%

販売名コード

YJコード
1214401A5022

承認・許可番号

承認番号
16100AMZ01683000

欧文商標名
Xylocaine 2% for Intravenous Injection

薬価基準収載年月

1976年9月

販売開始年月

1976年11月

使用期限等

貯 法:
室温保存

使用期限:
ケース等に表示(製造後3年)

注 意:
「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

劇薬、処方箋医薬品:
注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量(1mL中)
リドカイン塩酸塩20mg

添加物(1mL中)
塩化ナトリウム 6mg
pH調整剤 適量

1管あたりの有効成分含量

1管中 リドカイン塩酸塩
5mL中 100mg

性状

剤形
注射剤

色・形状
無色澄明の液

容器
ガラスアンプル(ワンポイントカット)

pH
5.0~7.0

浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約1

一般的名称

日本薬局方 リドカイン注射液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重篤な刺激伝導障害(完全房室ブロック等)のある患者[心停止を起こすおそれがある。]

2.
本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

期外収縮(心室性、上室性)、発作性頻拍(心室性、上室性)

急性心筋梗塞時及び手術に伴う心室性不整脈の予防

用法・用量

リドカイン塩酸塩として、通常、成人1回50~100mg(1~2mg/kg)〔2%注射液:2.5mL~5mL〕を、1~2分間で、緩徐に静脈内注射する。

効果が認められない場合には、5分後に同量を投与する。また、効果の持続を期待する時には10~20分間隔で同量を追加投与してもさしつかえないが、1時間内の基準最高投与量は300mg〔2%注射液:15mL〕とする。

本剤の静脈内注射の効果は、通常10~20分で消失する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
著明な洞性徐脈、刺激伝導障害のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]

2.
循環血液量が減少している患者、ショック状態にある患者、あるいは心不全のある患者[心停止を起こすおそれがある。]

3.
重篤な肝機能障害又は腎機能障害のある患者[中毒症状が発現しやすくなる。]

4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

過量投与を避けるため、できるだけ頻回の血圧測定及び心電図の連続監視下で投与すること。

相互作用

相互作用の概略

本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。

併用注意

(併用に注意すること)

1.
薬剤名等
シメチジン

臨床症状・措置方法
リドカインの血中濃度が上昇したとの報告がある。

機序・危険因子
シメチジンの肝代謝酵素阻害作用により、リドカインの代謝が抑制されると考えられる。

2.
薬剤名等
メトプロロール
プロプラノロール
ナドロール

臨床症状・措置方法
リドカインの血中濃度が上昇することがある。

機序・危険因子
これらの薬剤の心拍出量、肝血流量減少作用により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる。

3.
薬剤名等
*リトナビル
*ホスアンプレナビルカルシウム水和物
*硫酸アタザナビル

臨床症状・措置方法
*リドカインのAUCが上昇することが予想される。

機序・危険因子
*肝代謝酵素に対する競合的阻害作用により、リドカインの代謝が遅延すると考えられる。

4.
薬剤名等
セイヨウオトギリソウ
(St. John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法
リドカインの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、リドカイン投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。

機序・危険因子
肝代謝酵素誘導作用により、リドカインの代謝が促進され、血中濃度が低下すると考えられる。

5.
薬剤名等
クラスIII抗不整脈剤
 アミオダロン等

臨床症状・措置方法
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。

機序・危険因子
併用により血中濃度が上昇し、作用が増強することが考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

使用成績調査等の頻度が明確となる調査を実施していないため、副作用発現頻度については不明である。

重大な副作用

1.
刺激伝導系抑制、ショック:ときにPQ間隔の延長又はQRS幅増大等の刺激伝導系抑制、あるいは徐脈、血圧低下、ショック、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。

2.
意識障害、振戦、痙攣:意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「過量投与」の項参照)

3.
悪性高熱:まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。

その他の副作用

1.中枢神経注1)
頻度不明
せん妄、めまい、眠気、不安、多幸感、しびれ感等

2.消化器注1)
頻度不明
嘔吐等

3.過敏症
頻度不明
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等

注1) このような症状があらわれた場合には、投与を中止、又は減量し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため血中濃度が高くなりすぎ、振戦、痙攣等の中毒症状を起こすおそれがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない。

過量投与

徴候、症状

中枢神経系の症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。

心血管系の症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。

処置

呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。

適用上の注意

1.
投与経路:静脈内1回投与のみに使用すること。

2.
投与時:高度の洞性徐脈、あるいは房室ブロック等の徐拍性不整脈とともに心室性不整脈(期外収縮、頻拍)が認められる場合には、人工ペースメーカーによって心拍数を増加させ、本剤を用いること。

3.
調製時:本剤中のリドカインは塩酸塩であり、アルカリ性注射液(炭酸水素ナトリウム液等)との配合により、リドカインが析出するので配合しないこと。

4.
アンプルカット時:ガラス微小片の混入を避けるため、エタノール綿等で清拭することが望ましい。

その他の注意

1.
本剤の投与により、新生児にメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

2.
ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。

薬物動態

1.
吸収及び血中動態

(1)
外国人健康人にリドカイン塩酸塩25、75、100mgを静脈内注入したとき、血清中濃度は注入直後に最高濃度を示し、いずれも約2時間の半減期で減少した1)。生物学的パラメーターを下表に示す。

薬物動態の表参照

(2)
外国人患者にリドカイン塩酸塩1mg/kgを静注後、2~3mg/分の速度で点滴静注したとき、血中濃度は注入終了時に2.0~6.5μg/mLの最大値を示し、約90分の半減期で減少した2)

(3)
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した3)

2.分布4)
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する。

3.代謝5)
リドカインは、主として肝臓でN-脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX)、2,6-xylidineに代謝され、投与量の約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される。

4.排泄5)
リドカイン塩酸塩250mgを外国人健康人に経口投与したとき、24時間後までの尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった。

5.病態時における薬物動態6)
外国人心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はなく、肝機能低下患者では約3倍に延長した。

薬物動態の表

投与群Vd(L/kg)T1/2(hr)CLtot(mL/min/kg)
25mg3.21±0.451.80±0.1020.6±2.6
75mg3.92±0.412.04±0.1722.5±1.9
100mg3.34±0.462.09±0.1418.1±1.9
平均値±標準誤差

薬効薬理

1.
抗不整脈作用7),8),9):リドカインは、冠動脈結紮、ジギタリス投与、アドレナリン投与、機械的刺激等により生じた不整脈に対し、それぞれ強い抑制作用を示す。また、麻酔犬による電気刺激実験において、心室細動発現閾値を上昇させる。

2.
その他の循環器系作用:リドカインは、イヌの血圧、心収縮力、心拍数、冠血流量等に対し、2mg/kg以下の静脈内投与では無作用又はやや増強作用を示す。また、ヒトにおけるリドカインの心機能抑制作用はプロカインアミドに比べて弱い。

3.
作用機序:リドカインは、心臓の神経膜のナトリウムチャネルを遮断することにより、活動電位の立ち上がり速度の減少、心房・心室の伝導性低下・ナトリウムチャネル不活性化回復遅延を来し、相対不応期を延長させる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名:リドカイン(Lidocaine)(JAN)(日局)

化学名:2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide

構造式:raster

分子式:C14H22N2O

分子量:234.34

融点 :66~69℃

性状 :リドカインは白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。

取扱い上の注意

アンプルを開封後、直ちに使用し、残液は廃棄すること。

包装

静注用キシロカイン2%:[アンプル]5mL×10管

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Ochs, H.R., et al.:J. Clin. Pharmacol., 23, 186, 1983

2)
Bassan, M.M., et al.:Am. Heart. J., 87, 302, 1974

3)
Nation, R.L., et al.:Br. J. Clin. Pharmacol., 4, 439, 1977

4)
Burm, A.G.L.:Clin. Pharmacokinet., 16, 283, 1989

5)
Keenaghan, J.B., et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 180, 454, 1972

6)
Thomson, P.D.:Ann. Intern. Med., 78, 499, 1973

7)
Allen, J.D., et al.:Am. J. Cardiol., 28, 555, 1971

8)
Allen, J.D.:Br. J. Pharmacol., 42, 1, 1971

9)
Hitchcock, P.:Fed. Proc., 17, 378, 1958

**文献請求先・製品情報お問い合わせ先

アスペンジャパン株式会社

〒102-0073 東京都千代田区九段北一丁目8番10号

カスタマーセンター

TEL:0120-161-576

FAX:0120-788-654

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売元

アスペンジャパン株式会社

東京都千代田区九段北一丁目8番10号

http://www.aspenpharma.co.jp/