アルケラン静注用50mg


作成又は改訂年月

**2017年2月改訂(第10版)

*2016年2月改訂(第9版)

日本標準商品分類番号

874219

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
1963年9月

薬効分類名

造血幹細胞移植前処置剤

承認等

販売名

アルケラン静注用50mg

販売名コード

4219403F1023

承認・許可番号

承認番号
21300AMY00134

商標名
Alkeran for injection

薬価基準収載年月

2001年6月

販売開始年月

2001年6月

貯法・使用期限等

貯法 
室温保存、遮光

使用期限
包装に表示

規制区分

毒薬

処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分(1バイアル中の含量等)
日局メルファラン:50mg

添加物(1バイアル中の含量等)
ポビドンK12:20mg
塩酸(pH調節剤)

専用溶解液 添加物(1バイアル中の含量等)
プロピレングリコール:6mL
エタノール:0.52mL
クエン酸ナトリウム水和物

性状

性状
白色~微黄白色の凍結乾燥した塊状になった粉末の注射剤

pH(専用溶解液10mLに溶解した時)
6.0~7.0

溶状(専用溶解液10mLに溶解した時)
無色~微黄色澄明

一般的名称

メルファラン

Melphalan

警告

1.
本剤の投与は、緊急時に十分措置できる医療施設及び造血幹細胞移植に十分な知識と経験をもつ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。

2.
本剤の使用にあたっては、患者又はそれに代わる適切な者に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

3.
本剤は強い骨髄抑制作用を有する薬剤であり、本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植の施行後、骨髄抑制作用の結果、感染症を発現し死亡した例が認められている。
本剤投与後は重度の骨髄抑制状態となり、その結果致命的な感染症及び出血等を引き起こすことがあるので、下記につき十分注意すること。

(1)
重症感染症を合併している患者には投与しないこと。

(2)
本剤の投与後は患者の状態を十分に観察し、致命的な感染症の発現を抑制するため、感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行い、必要に応じ無菌管理を行うこと。

(3)
本剤の投与後は輸血及び血液造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。

4.
本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植の施行にあたっては、「禁忌」「慎重投与」「重要な基本的注意」の項を参照し、慎重に患者を選択すること。

本剤の使用にあたっては製品添付文書を熟読のこと。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
重症感染症を合併している患者[感染症が増悪し致命的となることがある。]

2.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

下記疾患における造血幹細胞移植時の前処置

白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形腫瘍

用法及び用量

造血幹細胞移植時の前処置として下記のとおり静脈内投与する。
ただし、移植は本剤の投与終了から24時間以上あけて行うこととする。

成人(白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫)
メルファランとして1日1回60mg/m2を3日間投与(メルファラン3日間総量180mg/m2)する。
多発性骨髄腫に対してはメルファランとして1日1回100mg/m2を2日間投与(メルファラン2日間総量200mg/m2)も可とする。

小児(白血病、小児固形腫瘍)
メルファランとして1日1回70mg/m2を3日間投与(メルファラン3日間総量210mg/m2)する。

なお、メルファラン総量及び1日投与量は、患者の状態、併用する薬剤、全身放射線照射併用により適宜減量する。

用法及び用量に関する説明

<注射液の調製法及び投与法>
メルファラン50mg(1バイアル)に専用溶解液10mLを加え激しく振盪して完全に溶解し、希釈する場合には100mL以上の日局生理食塩液を用いること。なお、本剤は室温(約25℃)で用時調製し、溶解後又は希釈後に混濁又は結晶が認められる場合には使用しないこと。
溶解後は、安定性が低下するので速やかに使用し、室温においては少なくとも調製から1.5時間以内に投与を終了すること。投与に際し、他の注射剤との配合又は混注は行わないこと。(「適用上の注意」及び「取扱い上の注意」の項参照)

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
肥満患者では投与量が過多にならないように、標準体重に基づいた体表面積から換算した投与量を考慮すること。

2.
腎障害のある患者では本剤のクリアランスが低下するおそれがあり、本剤による副作用が増強するおそれがあるので、投与量が過多にならないよう考慮すること。なお、減量の目安は確立されていない(「薬物動態」の項参照)。

3.
本剤の投与前日から投与終了後24時間は、水分補給及び利尿剤の投与を行い十分な尿量を確保すること。なお、補液量は2,000mL/日以上、確保すべき尿量は100mL/h以上を目安とし、患者の年齢及び状態を勘案し調整すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1.
腎機能障害のある患者(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)

2.
肝機能障害のある患者[肝機能障害が増悪するおそれがある。]

3.
心機能障害のある患者(特にアントラサイクリン系薬剤等、心毒性を有する薬剤による前治療歴のある患者)[致命的な心機能障害を発現するおそれがある。]

4.
感染症を合併している患者[感染症が増悪し致命的となることがある。]

5.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植は、各医療施設において定められている造血幹細胞移植の手法に従って実施すること。

2.
本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植にあたっては、患者の状態及び臓器機能(心、肺、肝、腎等)を十分検討し、造血幹細胞移植を実施可能と判断される患者にのみ投与し、以下の事項について特に注意すること。

(1)
本剤の投与中は心電図、血圧及び尿量等のモニターを行うこと。また、投与後は定期的に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)及び尿量のモニター等を行うこと。

(2)
本剤の投与後は患者の状態を十分に観察し、致命的な感染症の発現を抑制するため、感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行い、必要に応じ無菌管理を行うこと。

(3)
本剤の投与後は輸血及び血液造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。

3.
感染症が増悪し致命的となることがあるので、重症感染症を合併している患者においては投与しないこと。

4.
本剤の投与に際しては、患者の状態を十分に観察し、水分補給や利尿剤の投与により十分な尿量を確保すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。

5.
本剤の用量規制因子は下痢及び口内炎等の粘膜障害である。本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植の施行に先立ち、口腔内病巣の治療、口腔内及び腸内の殺菌等の適切な処置を行うこと。

6.
本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植は、下記のことを踏まえ、患者に対する有益性及び危険性を考慮し十分説明した上で行うこと。

(1)
閉経前の女性においては、卵巣機能抑制の結果、一時的又は永久的な無月経及び不妊症に陥る可能性が高いとの報告がある。

(2)
動物試験(ラット及びイヌ)において精子形成抑制作用が認められたとの報告があるので、男性患者においては、一時的又は永久的な不妊症を起こす可能性がある。

(3)
造血幹細胞移植を施行した小児においては、成長障害等が起こる可能性がある。

(4)
本剤は動物試験(ラット及びマウス)において遺伝毒性が認められている。また、本剤を投与した患者において染色体異常が認められている。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1.
薬剤名等
シクロスポリン、タクロリムス

臨床症状・措置方法
本剤投与後に移植片対宿主病(GVHD)予防のためシクロスポリン又はタクロリムスを投与した骨髄移植患者において腎不全等の腎障害が発現したとの報告がある。

機序・危険因子
機序は不明である。

2.
薬剤名等
ナリジクス酸

臨床症状・措置方法
ナリジクス酸服用中の小児患者に本剤(140mg/m2)の投与を開始したところ、その1~2日後に下痢(血便)を発現し死亡(剖検で出血性腸炎を認めた)したとの報告がある。

機序・危険因子
本剤との関連性は言及されていないが、ナリジクス酸による出血性腸炎を増強するおそれがある。

副作用

副作用等発現状況の概要

*国内臨床試験において、安全性評価対象症例41例中、副作用は全例に合計164件報告され、主な副作用は下痢38例(92.7%)、口内炎・粘膜炎33例(80.5%)、悪心・嘔吐26例(63.4%)、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇21例(51.2%)であった。また、成人及び小児における特徴的な副作用は認められなかった。
成人・小児両試験で共通して発現した有害事象は、消化器、肝臓、循環器、泌尿器の障害及び代謝異常であった。Grade3以上の副作用は、下痢4件(9.8%)、口内炎・粘膜炎15件(36.6%)、悪心・嘔吐8件(19.5%)、直腸潰瘍1件(2.4%)、AST(GOT)・ALT(GPT)上昇8件(19.5%)、心筋症1件(2.4%)、不整脈1件(2.4%)及び咽頭炎1件(2.4%)であった。感染症(感染症の疑いを含む)は35例(85.4%)にみられた。試験期間中(移植後3ヵ月以内)、重篤な有害事象が2例(MRSA感染による肺炎及び心筋症(増悪)各1例)にみられ、そのうち1例は死亡した(死因:MRSA腸炎からの肺炎)。また、追跡調査時(観察期間の範囲:69~1462日)に、14例の死亡が確認された。その死因は、原病悪化が10例、ジギタリス中毒による心室細動からの脳の低酸素症及び肺水腫が各1例、他の抗癌剤を前処置剤とした末梢血幹細胞移植の敗血症・播種性血管内凝固症候群による死亡が1例ならびに胆管細胞癌による死亡が1例であった。死因は胆管細胞癌の1例を除き、いずれも本剤との因果関係は「なし」と判定された。また、造血幹細胞移植後に臨床上問題となる合併症として、感染症による出血性膀胱炎が1件(成人・感染症)、溶血性尿毒症症候群が2件(いずれも小児・追跡調査時に判明)確認された。(承認時)
使用成績調査において、安全性評価対象症例2603例中、臨床検査値異常を含む副作用は1643例(63.1%)報告された。その主なものは、下痢611例(23.5%)、AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害545例(20.9%)、口内炎・粘膜炎等の粘膜障害475例(18.2%)、悪心465例(17.9%)、感染症336例(12.9%)、嘔吐264例(10.1%)であった(再審査終了時)。

重大な副作用

1.*感染症及び出血等
本剤投与後は重度の骨髄抑制状態となり、その結果感染症(12.8%)及び出血(1.6%)を引き起こし、致命的となることがある。本剤の投与後は患者の状態を十分に把握し、致命的な感染症の発現を抑制するため、感染症予防のための処置(抗感染症薬の投与等)を行い、必要に応じ無菌管理を行うこと。また、輸血及び血液造血因子の投与等適切な支持療法を行うこと。

2.*ショック、アナフィラキシー
ショックアナフィラキシー(0.2%)があらわれることがあり、そのような症状に伴ってまれに心停止(頻度不明)が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3.*胃腸障害
悪心(18.4%)、嘔吐(10.7%)及び下痢(24.5%)、口内炎・粘膜炎等の粘膜障害(19.3%)が高頻度にあらわれ、直腸潰瘍(0.04%)等の症状が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

4.*重篤な肝機能障害、黄疸
AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇ビリルビン値上昇Al-P上昇LDHの上昇等を伴う肝機能障害(21.5%)や黄疸(0.7%)、また、黄疸、急激な体重増加、有痛性の肝腫大等を伴う肝中心静脈閉塞(症)(1.1%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

5.*心筋症、不整脈
心筋症(0.1%)、不整脈(0.8%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。投与中の場合は投与を中止すること。

6.*間質性肺炎、肺線維症
間質性肺炎(0.7%)、肺線維症(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。投与中の場合は投与を中止すること。

7.溶血性貧血
溶血性貧血(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。投与中の場合は投与を中止すること。

その他の副作用

次のような症状が投与中又は投与後もあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。

1.腎臓
1~5%未満
腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)

2.腎臓
1%未満
乏尿

3.消化器
1~5%未満
食欲不振

4.過敏症
1~5%未満
皮疹(斑状丘疹性皮疹、蕁麻疹)

5.過敏症
1%未満
そう痒、浮腫

6.皮膚
1%未満
脱毛

7.全身症状
頻度不明注)
温熱感、刺痛感

8.その他
1%未満
月経異常、痙攣

9.その他
頻度不明注)
卵巣機能不全

注)自発報告または海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。

高齢者への投与

成人26例を対象とした国内臨床試験において、65歳以上の高齢者は1例であり、報告された副作用は悪心・嘔吐、下痢、口内炎・粘膜炎であった(「臨床成績」の項参照)。一般に、高齢者では生理機能が低下していることが多いため、本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。
なお、高齢者に本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植を施行するにあたっては、患者の全身状態を考慮し、慎重に患者を選択すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
*妊婦(特に妊娠3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、妊娠する可能性のある婦人及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、適切な避妊をするよう指導すること。妊娠中に本剤を使用する場合、又は本剤を使用中に妊娠した場合は、胎児に異常が生じる可能性があることを患者に説明すること。[動物試験で大量(1.0mg/kg以上)を雌ラットに投与した場合、胚・胎児の死亡及び催奇形性が報告されており、また他のアルキル化剤(シクロホスファミド)で催奇形性を疑う症例報告がある。5mg/kg以上を雄マウスに投与した実験で生殖細胞に対する遺伝毒性が報告されている1),2)。]

2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。

小児等への投与

小児15例(1~14歳)を対象とした国内臨床試験において、小児に特徴的な副作用と考えられる症状等は認められなかった(「臨床成績」の項参照)。本剤を前処置剤として用いた造血幹細胞移植を小児に施行するにあたっては、成長障害等の可能性を十分に考慮した上で行うこと。なお、低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

本剤の用法・用量は、患者の成熟リンパ球や骨髄細胞を除去し移植する造血幹細胞を生着させること、及び腫瘍性疾患において体内に残存する腫瘍細胞の除去を目指している。したがって、本剤投与後は重度の骨髄抑制状態となることから、致命的な感染症及び出血等を引き起こすことがあるので、用法・用量に定められている投与量を超えて投与しないこと。

徴候、症状
本剤の投与後は重度の骨髄抑制状態となる。本剤を急速に静脈内投与すると、嘔気及び嘔吐、下痢、口内炎等の発現が認められる。なお、海外において、卵巣癌注1)に対する本剤290mg/m2の単回静脈内投与後、嘔吐、下痢、振戦、呼吸困難、QT延長、低ナトリウム血症、高アミラーゼ血症、尿路感染症、重度の骨髄抑制等を発現し、投与6日後に突然死亡(死因:不整脈と推察された)した症例が報告されている3)

処置
本剤は特有の解毒剤を有しておらず、本剤は血液透析により除去されないとの報告がある4)。本剤の過量投与が疑われた場合は、輸血、血液造血因子、抗感染症薬の投与等の支持療法を行うこと。また、必要に応じ無菌管理を考慮し、血液学的検査を頻回に行い、患者の状態を十分観察すること。

注1)アルケラン静注用50mgの効能・効果は白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、小児固形腫瘍における造血幹細胞移植時の前処置である。

適用上の注意

1.投与経路
本剤は静脈内にのみ投与すること。

2.調製

(1)
本剤の調製は、本剤の性状及び取扱いについて十分な知識のある医師及び薬剤師が直接又は医師の監督下のもと行うこと。

(2)
本剤は室温(約25℃)で用時調製すること。

(3)
糖類を含む輸液と配合すると分解しやすいので、希釈するときは日局生理食塩液を使用すること。

(4)
溶解後又は希釈後に混濁又は結晶が認められる場合は使用しないこと。

(5)
調製後の溶液は、沈殿することがあるので冷蔵しないこと。また、使用後の残液は廃棄すること。

(6)
溶解後、室温では経時的に安定性が低下するので速やかに投与を開始し、投与量と投与速度を勘案し遅くとも調製から1.5時間以内に投与を終了すること。

3.投与時

(1)
本剤はアルキル化剤であり反応性が高いことから、他の注射剤との配合又は混注は行わないこと。

(2)
直接末梢静脈に投与すると薬液の漏出による局所の組織障害を起こすおそれがあるので、中心静脈よりゆっくりと投与することが望ましい。

(3)
投与方法は次のいずれか適当な方法で中心静脈内に投与すること。

1)
生理食塩液の管の側管からゆっくりと注入する。なお、溶液が粘稠のため薬液の注入前後に生理食塩液で管を洗い流すこと。

2)
点滴静注する。

その他の注意

1.
アルキル化剤(メルファランを含む)の投与患者に急性白血病が発生したとの報告がある。

2.
マウス(1回0.75及び1.5mg/kgを週3回、6ヵ月間、腹腔内投与)及びラット(1回0.9及び1.8mg/kgを週3回、6ヵ月間、腹腔内投与)におけるがん原性試験で、マウスでは肺腫瘍及びリンパ肉腫の発生、ラットでは腹膜肉腫の発生が報告されている。

薬物動態

1.血漿中濃度注)
メルファランを多発性骨髄腫又はその他の悪性腫瘍患者に高用量(140~220mg/m2)静脈内投与したときの薬物動態を検討した報告では、いずれの報告においても薬物動態パラメータはほぼ同様の値が認められ、未変化体は血漿中からt1/2α6.5~16分、t1/2β41~83分で速やかに二相性に消失した5)~9)。投与24時間後には血漿中未変化体濃度は定量限界(20ng/mL)以下になった8)
悪性腫瘍患者にメルファラン200mg/m2もしくは140mg/m2を2~20分間で静脈内投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりである。(表1参照)
造血悪性腫瘍患者4例にメルファラン220mg/m2を単回静脈内投与したときの血漿中未変化体濃度推移を以下に示す5)
raster
15歳未満の小児悪性腫瘍患者15例及び15歳以上の成人悪性腫瘍患者11例にメルファラン140mg/m2を静脈内投与したとき、小児と成人の間で薬物動態パラメータに有意な違いは認められなかった6)。(表2参照)

2.代謝注)
メルファランは、モノヒドロキシ体及びジヒドロキシ体に加水分解される。メルファランの加水分解に代謝酵素の関与は認められていない。ヒト血漿中及び尿中にメルファランを添加したとき、未変化体はそれぞれ半減期1.3~2.5時間(平均1.9±0.4時間)及び1.5~31.5時間(平均8.9±11.3時間)で消失した10)

3.排泄注)
悪性腫瘍患者にメルファラン220mg/m2を静脈内投与したとき、尿中未変化体排泄率は3.8~41.8%(平均21.3±17.1%)であり、総クリアランスは137~295mL/min/m2(平均205±66mL/min/m2)であった5)

4.血漿蛋白結合率注)
in vitroでのヒト血漿蛋白への結合率は0.1~9.0μMの濃度範囲で約55~76%であった11)。アルブミン及びα1-酸性糖蛋白との結合が認められた11),12)。γ-グロブリンとの結合は認められなかった11)

5.腎機能低下患者における薬物動態注)
28例の悪性腫瘍患者にメルファランを70~200mg/m2静脈内投与したとき、患者のEDTAクリアランス(CLEDTA)と総クリアランス(CL)の間に相関性(CL=217.7+3.68×CLEDTA、r=0.5326、p=0.0035)が認められた。また、造血幹細胞移植患者8)、卵巣癌患者13)、多発性骨髄腫患者等14)において、腎機能(クレアチニンクリアランス(CLCR)もしくはCLEDTA)と薬物動態パラメータの間に相関性が認められている。なお、CLCRとCL及び腎クリアランスの相関を認めなかったとの報告5)や、CLEDTAとAUC及びMRTの相関は認めたものの、消失半減期との相関は認めなかったとの報告15)もある。また、多発性骨髄腫に関しては、腎障害を有する患者に対して1日1回100mg/m2を2日間投与後に自家末梢血幹細胞移植を実施した結果、移植関連死亡は認められず、移植した幹細胞の生着、生存期間の延長、腎障害の改善等の良好な成績が得られた例も報告されている16),17)。これらの報告では水分補給や利尿薬投与等による尿量確保の管理に関しては不明確であるが、腎障害を有する患者では十分な尿量確保の管理が特に重要である。

注)いずれも外国人による成績である。本剤承認用量(1回)は60~100mg/m2である(「用法・用量」の項参照)。

薬物動態の表

表1
投与量
(mg/m2
例数Cmax
(μg/mL)
t1/2α
(min)
t1/2β
(min)
Vc
(L)
Vdss
(L)
AUC
(μg・min/mL)
CL
(mL/min)
1401113.5±5.48.7±3.981.1±63.516.4±6.239.8±20.7505±128522±145
2001621.1±14.79.1±8.268.0±32.119.9±14.641.6±17.2615±167641±184
平均値278.9±6.773.3±46.818.5±11.940.9±18.4592±177

表2
対象t1/2β
(min)
AUC
(μg・min/mL)
CL
(L/min/m2
Vdss
(L/m2
小児患者36.8±17.2346±1220.447±0.17016.0±5.5
成人患者47.6±13.8414±1510.372±0.14618.4±6.7
全平均41.4±16.5375±1370.415±0.16217.0±6.1

臨床成績

造血器腫瘍(以下、成人)及び小児がん(以下、小児)を対象に、のべ15施設41症例について実施した国内第II相試験成績は次の通り。

(1)患者背景
(表3、表4参照)

(2)骨髄(幹細胞)生着日
移植後、白血球数1000/mm3以上かつ好中球数500/mm3以上となった日を骨髄(幹細胞)生着日とした。(表5、表6参照)

(3)その他の有効性
(表7参照)

(4)安全性
(表8参照)

臨床成績の表

表3 成人の患者背景
項目 症例数(%)
合計 26(100)
性別18(69.2)
 8(30.8)
年齢Median[Min-Max]44.0[20-65]
診断名多発性骨髄腫11(42.3)
 白血病5(19.2)
  急性リンパ性白血病3(11.5)
  急性骨髄性白血病1(3.8)
  骨髄異形成症候群1(3.8)
 悪性リンパ腫10(38.5)
  非ホジキンリンパ腫9(34.6)
  ホジキンリンパ腫1(3.8)
移植時病態完全寛解期9(34.6)
 部分寛解期14(53.8)
 再発3(11.5)
移植の種類同種骨髄移植4(15.4)
 自家骨髄移植2(7.7)
 自家末梢血幹細胞移植19(73.1)
 自家骨髄/末梢血幹細胞移植1(3.8)
RegimenRegimen116(61.5)
 Regimen210(38.5)
G-CSF投与期間(日)Median[Min-Max]12.0[0-40]
 投与例数25(96.2)
血小板輸血量(単位)及び期間(日)輸血量:Median[Min-Max]87.5[20-1305]
 輸血期間:Median[Min-Max]16.0[1-87]
 輸血例数26(100)
赤血球輸血量(mL)及び期間(日)輸血量:Median[Min-Max]600.0[0-13600]
 輸血期間:Median[Min-Max]1.0[0-77]
 輸血例数18(69.2)
抗生物質の投与期間(日)Median[Min-Max]20.0[0-132]
 投与例数22(84.6)
無菌室退室日(日)Median[Min-Max]13.5[8-42]
Regimen1:本剤180mg/m2+全身放射線照射、Regimen2:本剤200mg/m2
:移植時病態とは、造血幹細胞移植の前処置開始前の病態をいう。

表4 小児の患者背景
項目 症例数(%)
合計 15(100.0)
性別男子10(66.7)
 女子5(33.3)
年齢Median[Min-Max]7.0[1-14]
診断名白血病4(26.7)
  急性リンパ性白血病2(13.3)
  急性骨髄性白血病2(13.3)
 固形腫瘍11(73.3)
  神経芽腫5(33.3)
  ウィルムス腫瘍2(13.3)
  悪性リンパ腫1(6.7)
  横紋筋肉腫1(6.7)
  膵芽腫1(6.7)
  骨肉腫1(6.7)
移植時病態完全寛解期6(40.0)
 部分寛解期4(26.7)
 寛解不能4(26.7)
 再発1(6.7)
移植の種類#同種骨髄移植7(50.0)
 自家骨髄移植2(14.3)
 自家末梢血幹細胞移植5(35.7)
Regimen#Regimen18(57.1)
 Regimen26(42.9)
G-CSF投与期間(日)#Median[Min-Max]18.0[0-25]
 投与例数10(71.4)
血小板輸血量(単位)及び期間(日)#輸血量:Median[Min-Max]100.0[60-180]
 輸血期間:Median[Min-Max]31.5[11-85]
 輸血例数14(100)
赤血球輸血量(mL)及び期間(日)#輸血量:Median[Min-Max]663.5[0-2400]
 輸血期間:Median[Min-Max]38.0[0-82]
 輸血例数11(78.6)
抗生物質の投与期間(日)#Median[Min-Max]17.5[0-43]
 投与例数13(92.9)
無菌室退室日(日)#Median[Min-Max]19.5[11-54]
Regimen1:本剤210mg/m2+全身放射線照射、Regimen2:本剤210mg/m2
:移植時病態とは、造血幹細胞移植の前処置開始前の病態をいう。
#:投薬完了せず移植前に中止した1例を除く

表5 成人における骨髄(幹細胞)生着日及び血球指標の回復日数(造血幹細胞移植の種類別)
項目評価対象例数自家移植:自家骨髄移植
(3例)
自家移植:末梢血幹細胞移植
(19例)
自家移植:合計
(22例)
同種骨髄移植
(4例)
骨髄(幹細胞)生着日2616.0(15-22)10.0(8-13)10.0(8-22)12.5(11-15)
白血球数>1000/mm32614.0(13-22)10.0(8-13)10.0(8-22)12.5(11-15)
好中球数>500/mm32616.0(15-22)10.0(8-13)10.0(8-22)12.5(11-15)
血小板数>3×104/mm32642.0(38-62)18.0(9-90)20.0(9-90)22.0(18-24)
血小板数>5×104/mm32662.0(38-86)18.0(9-90)23.0(9-90)23.0(18-27)
網状赤血球>10‰2235.0(28-36)15.0(11-26)15.0(11-36)14.5(13-15)
※自家骨髄移植:自家骨髄移植と末梢血幹細胞移植を併用した1例を含む。
※血小板数:観察期間(3ヵ月)に血小板数が未回復であった4例(いずれも末梢血幹細胞移植)は90日で打ち切りとした。
※網状赤血球:評価不能4例(いずれも末梢血幹細胞移植)を除外した。

表6 小児における骨髄(幹細胞)生着日及び血球指標の回復日数(造血幹細胞移植の種類別)
項目評価対象例数自家移植:自家骨髄移植
(2例)
自家移植:末梢血幹細胞移植
(5例)
自家移植:合計
(7例)
同種骨髄移植
(7例)
骨髄(幹細胞)生着日1419,6711.0(11-15)13.0(11-67)18.0(12-24)
白血球数>1000/mm31415,3811.0(10-15)11.0(10-38)18.0(12-24)
好中球数>500/mm31419,6711.0(11-15)13.0(11-67)17.0(12-24)
血小板数>2×104/mm31469,7342.0(15-47)43.0(15-73)28.0(23-45)
血小板数>5×104/mm31169,9015,27
(2例)
48.0(15-90)
(4例)
28.0(23-45)
網状赤血球>10‰1341,5315.0(14-18)
(4例)
16.5(14-53)
(6例)
24.0(14-30)
※血小板数(>5×104/mm3):観察期間(3ヵ月)に未到達の1例(自家骨髄移植)は90日で打ち切りとし、評価不能3例(いずれも末梢血幹細胞移植)を除外した。
※網状赤血球:評価不能1例(末梢血幹細胞移植)を除外した。

表7
項目3年生存率
(n:評価対象例数)
生存期間中央値(範囲)
3年無病生存率
(n:評価対象例数)
無病生存期間中央値(範囲)
奏効率(PR以上)
(評価可能のみ)
全体64.9%(n=37)
1089日(69-1462)
54.1%(n=37)
1038日(69-1462)
50.0%(9/18)
成人60.9%(n=23)
1062日(69-1358)
52.2%(n=23)
1012日(69-1246)
46.2%(6/13)
 多発性骨髄腫37.5%(n=8)
450日(69-1358)
12.5%(n=8)
320.5日(69-1154)
50.0%(4/8)
 悪性リンパ腫80.0%(n=10)
1167.5日(148-1246)
80.0%(n=10)
1167.5日(98-1246)
40.0%(2/5)
 白血病60.0%(n=5)
1038日(497-1233)
60.0%(n=5)
1038日(169-1233)
小児71.4%(n=14)
1135日(170-1462)
57.1%(n=14)
1098.5日(92-1462)
60.0%(3/5)
 小児固形腫瘍60.0%(n=10)
1098.5日(170-1462)
50.0%(n=10)
699.5日(92-1462)
60.0%(3/5)
 白血病100%(n=4)
1202.5日(1018-1265)
75.0%(n=4)
1202.5日(278-1265)
移植実施前に投与を中止した小児の1例を除く
-:評価対象例なし

表8 有害事象及び副作用の発現頻度
項目成人成人小児小児合計合計
安全性評価対象26例26例15例15例41例41例
有害事象発現例数・件数26例・123件 15例・62件 41例・185件 
副作用発現例数・件数 26例・107件 15例・57件 41例・164件
有害事象・副作用の種類有害事象副作用有害事象副作用有害事象副作用
消化器:下痢25(96.2%)25(96.2%)13(86.7%)13(86.7%)38(92.7%)38(92.7%)
消化器:口内炎・粘膜炎21(80.8%)21(80.8%)12(80.0%)12(80.0%)33(80.5%)33(80.5%)
消化器:悪心・嘔吐19(73.1%)18(69.2%)8(53.3%)8(53.3%)27(65.9%)26(63.4%)
消化器:腹痛2(7.7%)2(7.7%)2(4.9%)2(4.9%)
消化器:食欲不振1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
消化器:直腸潰瘍1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
肝臓:AST(GOT)・ALT(GPT)上昇14(53.8%)11(42.3%)12(80.0%)10(66.7%)26(63.4%)21(51.2%)
肝臓:ビリルビン値上昇1(3.8%)1(3.8%)2(13.3%)2(13.3%)3(7.3%)3(7.3%)
肝臓:LDH上昇3(11.5%)1(3.8%)3(20.0%)1(6.7%)6(14.6%)2(4.9%)
肝臓:Al-P上昇2(7.7%)1(3.8%)1(6.7%)1(6.7%)3(7.3%)2(4.9%)
肝臓:ウロビリノーゲン陽性1(6.7%)1(6.7%)1(2.4%)1(2.4%)
循環器:頻脈1(3.8%)1(3.8%)1(6.7%)1(6.7%)2(4.9%)2(4.9%)
循環器:心筋症1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
循環器:心房細動1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
循環器:不整脈1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
循環器:心不全1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
中枢・末梢:振戦1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
泌尿器:蛋白尿3(11.5%)3(11.5%)1(6.7%)1(6.7%)4(9.8%)4(9.8%)
泌尿器:血尿3(11.5%)2(7.7%)1(6.7%)1(6.7%)4(9.8%)3(7.3%)
泌尿器:腎障害1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
泌尿器:急性腎不全1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
皮膚:発疹3(11.5%)3(11.5%)3(7.3%)3(7.3%)
皮膚:色素沈着1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
皮膚:発赤1(6.7%)1(6.7%)1(2.4%)1(2.4%)
呼吸器:咽頭炎7(26.9%)7(26.9%)7(17.1%)7(17.1%)
呼吸器:間質性肺炎1(6.7%)1(6.7%)1(2.4%)1(2.4%)
呼吸器:気管支炎1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
代謝異常:尿糖1(3.8%)1(3.8%)1(6.7%)1(6.7%)2(4.9%)2(4.9%)
代謝異常:高カリウム血症1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
感覚器:味覚異常1(6.7%)1(6.7%)1(2.4%)1(2.4%)
その他:倦怠感1(3.8%)1(3.8%)1(6.7%)1(6.7%)2(4.9%)2(4.9%)
その他:下腿疼痛1(6.7%)1(6.7%)1(2.4%)1(2.4%)
その他:浮腫1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
その他:発熱2(7.7%)0(0%)2(4.9%)0(0%)
その他:顔面浮腫1(3.8%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
その他:鼻出血1(6.7%)0(0%)1(2.4%)0(0%)
その他:頭痛1(3.8%)1(3.8%)1(2.4%)1(2.4%)
感染症(感染症の疑いを含む)
22例(84.6%)
22例(84.6%)13例(86.7%)13例(86.7%)35例(85.4%)35例(85.4%)
38℃以上の発熱期間中央値6.5日(0~44日)6.5日(0~44日)8.0日(0~39日)8.0日(0~39日)7.5日(0~44日)7.5日(0~44日)
急性GVHD4例(100%)4例(100%)3例(42.9%)3例(42.9%)7例(63.6%)7例(63.6%)
慢性GVHD4例(100%)4例(100%)0例(0%)0例(0%)4例(36.4%)4例(36.4%)
:GVHDの評価対象は、成人4例及び小児7例(同種骨髄移植実施例)

薬効薬理

1.骨髄抑制作用18),19)
メルファランには骨髄細胞のコロニー形成抑制作用及び骨髄抑制作用(in vivoマウス)が認められた。

2.抗腫瘍効果20)~27)
メルファランは用量依存性の抗腫瘍効果を示し、広い抗腫瘍スペクトルを有する。

(1)
マウスのSarcoma180腹水腫瘍、Ehrlich腹水癌、L1210白血病、P388白血病、B16黒色腫、Lewis肺癌、Colon-26結腸癌、Colon-38結腸癌、CD8F1乳癌及びラットのWalker癌肉腫256、吉田肉腫、Jensen肉腫に対して腫瘍増殖抑制作用を示した。

(2)
ヌードマウス可移植性ヒト腫瘍系であるMX-1乳癌、LX-1肺癌、CX-1結腸癌に対する抗腫瘍作用が認められた。

(3)
ヌードマウス移植ヒト神経芽腫、骨肉腫、免疫抑制マウス移植横紋筋肉腫及びヌードラット移植神経膠腫に対する抗腫瘍作用が認められた。

3.作用機序28)
メルファランは、細胞内に取りこまれた後にDNA鎖間又はDNA鎖内架橋形成あるいはDNA-蛋白架橋形成を通して抗腫瘍作用や骨髄抑制作用を示すものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
メルファラン(Melphalan)

化学名
4-Bis(2-chloroethyl)amino-L-phenylalanine

分子式
C13H18Cl2N2O2

分子量
305.20

構造式
raster

性状
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。水、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸又は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。光によって徐々に着色する。

旋光度[α]20D
約-32°(乾燥物に換算したもの0.5g、メタノール、100mL、100mm)

取扱い上の注意

本剤の溶液に触れると皮膚反応が起こることがあるので、取扱い時には手袋、マスク、防護メガネ等を着用し、十分に注意すること。皮膚に本溶液が付着した場合には、直ちに石鹸で洗い、水で完全に洗い落とすこと。

包装

1バイアル(専用溶解液10mL 1バイアル添付)

主要文献及び文献請求先

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文献請求先

**アスペンジャパン株式会社

〒102-0073 東京都千代田区九段北一丁目8番10号
カスタマーセンター

TEL:0120-161-576

FAX:0120-788-654

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売元

アスペンジャパン株式会社

東京都千代田区九段北一丁目8番10号
http://www.aspenpharma.co.jp